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2005年8月25日 (木)

あの時流した涙の理由

私のことを「めったに泣かない」という人もいれば、「どうしようもない泣き虫だ」という

人もいる。確かに私は人前で涙を流すことはほとんどない。人のための涙や、映画

などに感動しての涙は別だが、自分のためには泣かない。自分のための涙を見せる

のは、よほど気を許した人たちだけだ。私を「泣き虫」と思っている人は、私の内面

を良く分かってくれている人たちだ。

といっても、それはもっと若かった頃の話で、29歳で病気になってから、涙は私に

毎日のようにまとわりついた。別に悲しいわけでもなんでもないのに涙が溢れる。

朝目覚めて、「今日一日、どうやって過ごせばいいんだろう。今日という日を無事に

終えることができるのかな。」と思うだけで涙が溢れて仕方なかった。これは本当に

辛かった。特に初めに通った病院が私に合わなかったため、そこに通院していた

半年間は地獄のようだった。とにかく医師がこわくて、診療日には泣き叫んだ。

行きたくない、でも行かなきゃ。毎回同じ。いっこうに良くなる気配もなく、私の体

は骨盤の骨が飛び出そうなほどガリガリに痩せていった。もともとやせ型だったけ

れど、骸骨のような自分の身体を鏡で見るのは辛かった。

病院を変えよう。そう決意して、私はいろいろ調べて現在の病院に予約を入れた。

まだ、最初の病院に予約を残していた。もし、次も合わなかったときの保険のため。

全ての事情を話して、予約を受け付けてくれた。

ドクターと初めての対面。真剣に私の話を聞いてくれた。対話の中で、私はこの

先生にかかりたいと思った。この先生なら、分かり合えると確信した。そして、病院

を変わりたいが、まだ予約が残っているので、それには行きたいと言った。手続き

もしたいし、あの病院に言いたいことは山ほどあったから。どくたーはうなずいて、

「あなたの好きなようにしていらっしゃい。何となく移るより、手続きするという明確

なプロセスを踏んだほうが、あなたのためにもいいでしょう。」と言ってくれた。

予約日、私はこれまでになく清々しい気持ちで病院に向かった。しかし、扉を開け

たとたん、怒りでいっぱいになり、大声でどなりちらした。私は薬のみマシーンじゃ

ない、私は実験台じゃない、そんなに自分の経験に自信があるなら大学の研究室

にでもこもってひたすら研究だけやってろ、患者にさわるな、今までの私の苦しみ

を返せ、家族の苦しみを返せと、涙を流しながら怒鳴りつづけた。これ以上、ここ

で実験台になるつもりはない、病院を替わるから資料をよこせ、今までの金と

時間はくれてやるから私に関するデーターはすべてよこせと言って、全部をコピー

させた。闘いは終わったんだと思った。と同時にまた涙が溢れた。これまでの

半年はなんだったんだろう、という空しさからくる涙だった。なんでこんな病院に

通ってしまったんだろう。お金も時間もただただ費やして、いろんな人に心配も

迷惑もいっぱいかけて・・・ただ、自分を責めるしかなかった。

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コメント

自分のために涙を流せる人は人をとても大切にしているのでしょうね。人の痛みを分かることができるつらさはごまかしがきかない。私はみやびさんの声を聞いたり便りをもらうと心温まります。
いつも甘えてばかりでごめんね。みやびさんのところはいつも優しい風で心地いいのです。たまには吹き飛ばしてくれてもいいよ;また戻って来ちゃうけどね!

投稿: 弘美 | 2005年8月26日 (金) 21時23分

弘美

あたたかいコメントありがとう。
弘美といると私もホッとするし、気を使わなくていいし、何より楽しいよ。いつもいっぱい笑うよね。
吹き飛ばしたりなんてするわけないじゃん。
あなたは私の一生の友達。これからもよろしくね。

投稿: みやび | 2005年8月26日 (金) 22時10分

みやびへ
須賀です。TBありがとうです。Res遅うなってすいませんです。

心療内科。精神科。
センセとかみあわない、っていうことほど、辛いことはないと思いますわ。
半年間、ほんまに重かったでしょう。
ほんまにお疲れさんでした。

あたしはウツがひどい時は、何見ても、涙が止まらなくなるんすわ。
たとえば、コップ見ただけで泣くとか。(笑)
それで家事が一切できひん頃もありましたわ。

半年間の悪夢は、心に深く刻まれてるかもしれないんすが、その傷が病状の回復とともに、癒えてくれることを、心から願いますわ。

ありがとです。
ではまた/

投稿: 須賀 | 2005年8月28日 (日) 11時06分

須賀さん

あたたかいコメントありがとうございます。
そうですね。病院が合わなくて苦労している患者さんはたくさんいますね。
私もウツがひどい時、涙が止まらなくなりますね。別に悲しいわけでもないのに。
あの半年間のことは、忘れたいけれど忘れられません。いつか、忘れられる日がくるかもしれませんけどね。

投稿: みやび | 2005年8月28日 (日) 22時47分

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ヨレヨレの須賀です。 こんばんは。(´ー`)ノ 母校。 残念ながら、全日本吹奏楽 [続きを読む]

受信: 2005年8月28日 (日) 10時57分

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